展示室3階

 

  爨宝子碑3(さんぽしひ)    九成宮醴泉銘2(きゅうせいきゅうれいせんめい)

左の作品である爨宝子碑は雲南省曲靖県にあるこの碑は、この地方の異民族(漢族ではない)の豪族で郡の太守であった爨宝子のための墓碑なんだ。この碑の存在は、出土以前から記録の上では知られていたんだ。だけど、この碑が一般に知られるようになったのは比較的近年のことで、碑面の磨滅が少ないから筆画がはっきり見えるんだ。書体は隷書と楷書の中間ぐらいで、どっちかっていうと隷書に近い珍しいものなんだ。文字には大小の変化が多くて、素朴で、独特な趣があって、今では書道史研究上重要な資料のひとつになってるんだ。まあ、なにはともあれぼくが高校時代よく書いていたものなんだ。そうそう、この爨宝子碑ばっか書いてたあまりほかの古典に手がつけてなくあとで後悔したんだけどね。

右の作品である九成宮醴泉銘は前にも紹介したけど、ここでもう一回紹介するね。九成宮醴泉銘は太宗皇帝が避暑地である九成宮に行ったとき、杖でさぐって井戸を掘ったところ、甘泉が湧いてきたという瑞兆を記念してつくった魏徴の文を刻した碑なんだ。この碑は今も陝西省麟遊県城の西の九成宮遺趾にあるんだ。

この書はね、欧陽詢の最高の手本として昔から拓本がそうとう多くとられたために今ではすっかりいたんでたぶんその際に表面を磨いたから点画は痩せてしまってかもしれないんだ。宋のあと覆刻が何種類もつくられているけど、今でも古い原石拓が数種類残ってるんだ。掲出の拓本は最近発表されたものでいまのところ見える最古の最精のものと思われてるんだ。

 

  灌頂記(かんじょうき)         蔵峰を使った作品

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

 

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